小濱武『琉球政府の食糧米政策』
戸石七生『むらと家を守った江戸時代の人びと』
戸石七生です。『むらと家を守った江戸時代の人びと』が出版されました。
執筆にあたって、根気強く励まして下さった農山漁村文化協会の金成正博さんに深く感謝いたします。
むらと家を守った江戸時代の人びと: 人口減少地域の養子制度と百姓株式
- 作者:七生, 戸石
- 発売日: 2017/11/24
- メディア: 単行本
農学部図書館で『國牛十図』のパネルを展示
助教の戸石です。
鎌倉時代に成立した『國牛十図』のパネル展示を農学部図書館で開催中です。獣医学・今川和彦先生による解説文があります。
ぜひご覧ください!
徒然草 第二百九段
助教の戸石です。
徒然草 第二百九段より、鎌倉時代の青田刈りの話を紹介します。戦国時代にこんなことをしたら、村と村の間で血で血を洗う争いが起きそうです。近世以降だったら若者組出入程度で済むでしょうか。
原文
人の田を論ずる者、訴へに負けて、ねたさに、「その田を刈りて取れ」とて、人を遣しけるに、先づ、道すがらの田をさへ刈りもて行くを、「これは論じ給ふ所にあらず。いかにかくは」と言ひければ、刈る者ども、「その所とても刈るべき理なけれども、僻事せんとて罷る者なれば、いづくをか刈らざらん」とぞ言ひける。
理、いとをかしかりけり。
現代語訳
他人の田んぼの所有権を求めて訴えていた人が、裁判に負けた。悔しさ余って、「その田を収穫前に全部刈り取れ」と、召使いに命令した。召使いは、手当たり次第、通り道にある田を刈りながら進むので、「ここは、訴訟で負けた田では無いのに、どうして、こんなに無茶をするのだ」と、問われた。田を刈る召使いは、「起訴して負けた田であっても、刈り取って良いという理由はありませんが、どうせ悪事を働きに来たのだから、手当たり次第、刈り取るのです」と言った。
その屁理屈も一理ある。